明石吉田屋産業株式会社

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明石吉田屋産業社長ブログ 明石吉田屋産業社長・明石真が、日々の思考をつづります

1年を振り返って~農業へのチャレンジ~2025.4.6

毎年、自分の誕生日の2月に社長ブログを更新していましたが、忙しさにかまけて更新を怠っていました。4月に入り、世間は新年度ということで、この1年の経験、感じたことを綴りたいと思います。


1年前の社長ブログを読み返してみると、新規事業として参入した農業の苦労やこれからの想いを綴らせてもらいましたが、この1年も農業を事業として軌道に乗せるべく、様々なチャレンジをしてきましたので、ご紹介させていただきます。
(昨年のブログはこちら https://www.ay-sangyo.co.jp/archives/2744)

生産品目は「中玉トマト」ですが、年間通して栽培してみて分かったことは、季節やビニールハウスの環境の違いにより、生産したトマトの品質や生産量にバラツキがあり、思い通りにうまくいくものではないということです。

当社の場合、季節にもよりますが、大体全体の6割がブランドトマト「ハピトマ」として出荷され、主に東京などの大都市の高級スーパー中心に流通しています。次にその規格に合わない、キズもの、形がわるいと言ったいわゆるB品が全体の3割で、割安にノーブランド品として出荷されます。そして、生トマトとして出荷できないレベルのキズもの、変形ものが、全体の約1割あり、夏場の猛暑の環境では、さらにその比率が高まってしまい、それらはなんとそのまま廃棄処分という何とも勿体ないですが、現実そうせざるを得ないという、どこの農家も頭を悩ませている問題に直面しました。

愛情込めて栽培したトマトたちを少しでもよい価格で取引できないかと考え、試行錯誤したのがこの1年でした。まず取り組んだのは、B品トマトの「地産地消」モデルです。B品といっても、味はA品同様の品質です。

当初は自分たちで地元スーパーへの販路を持っていなかったため、直売販路を営業開拓し、「明石ファーム」ブランドのステッカーを貼った袋で、地元スーパーへの出荷をはじめました。浜松市内で以下の店舗で取り扱いがはじまっています。時期や曜日、時間帯によっては、陳列されていないこともありますが、基本的に定期出荷の契約をさせていただいているスーパーです。

■明石ファームトマト 取り扱い店舗
https://akashi-farm.com/archives/11

これまでのB品はノーブランド品として流通していましたが、自社で袋詰め、スーパーへの納品業務も行うことで、自社ブランドとして出荷できるようにしました。自社ブランドのステッカーを貼ったトマトたち、、、やはり感慨深いものがあります。



そして、最大の難関課題であった廃棄処分となってしまっていた未利用トマトたち、、、社内で検討を繰り返し、「トマトの美味しさをそのまま凝縮したトマトジュースとして付加価値を高められないだろうか?」とアイディアが浮かび、加工を請け負ってもらえる加工会社を探して、探して、、、長野県阿智村に「無添加100%トマトジュース」を製造してくれる加工場にたどり着きました。

加工で活用するトマトは収穫のたびに鮮度のよいまま冷凍保存し、少しずつ貯めていき、加工日前日にまとめて自分たちで加工場に持ち込みます。はじめての加工は、どんな味のトマトジュースになるか、緊張しながら立ち合い、見守りましたが、完成したジュースは、フレッシュなトマトの旨味と酸味がそのままのさっぱりとした飲みやすい味で、「これは絶対にヒット商品になる!」と確信しました。

出来立てのトマトジュースを試飲する様子

ようやく美味しいトマトジュースが完成したわけですが、「さてどうやって販売していこうか」ということで、みんなでアイディア出しをしていきます。当然オンラインストアにも挑戦していこうということで、プロのカメラマンに格好よく写真も撮ってもらい、オンラインストア開設に向け、着々と準備が進んでいきます。オンラインストア開設は2025年5月ぐらいになりそうです。



かくして、愛情込めて育てたトマトたちが、無駄なく、そして適正な価格で流通させるしくみが整いました。

当社に限らず、農家さんはいいものを作っても、利益の出る適正な価格で販売できなかったり、結果的に売れないものを廃棄処分にせざるを得なかったりと、悩みを抱えているところが大半だと思います。

当社の取り組みが、農業が抱える問題の解決の一助になればという想いを持って、そして、地域の会社が地域の農業を支えていく、そのような循環型地域社会の実現を目指して、何としても農業を安定したビジネスに仕上げていきます。

今回、新規事業の立ち上げで、すべてが初経験ですが、関わる人が事業の目的、目標を共有し、常に前向きな姿勢で仕事に打ち込むことで、必ず道は開けるということを実感しています。新規事業なので、常に問題や乗り越えなければいけないハードルに直面しているわけですが、そのたびにみんなで意見を出し合い、解決策を導き、行動してみる、その繰り返しで確実に改善が進んでいます。

新規事業だけでなく、どんな事業、どんな仕事でも、前向きに「より良くしていこう」というマインドがあれば、「不可能なことはないな」とつくづく思うところです。社長として、新規事業を率先して引っ張っていく中で、貴重な経験をさせていただいています。

そして、大事にしなければいけないのが、社長が新規事業に思い切って挑戦できるのも、既存事業をしっかり運営してくれる社員さんと、安定した業績があるからです。既存事業の収益をしっかり確保しながら、新しいことに挑戦していく、この循環で会社は発展していくものと思います。

私の代で、既存事業の基盤を更に強化しながら、農業ビジネスという新しい事業の柱を作って将来に繋げられるよう、これからも全身全霊をかけて経営に打ち込んでいきます。

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